四日市泊駅西整形外科腰痛頭痛クリニック

12月 1月

椎間板ヘルニア

症状

椎間板ヘルニアの疫学(有病率・好発部位・好発年齢など)

1.有症候性の腰椎椎間板ヘルニア(LDH:Lumbar Disc Herniation)

臨床的に症状を伴う腰椎椎間板ヘルニアの有症率は、おおよそ1%程度と報告されています。 国際的には、成人あたり年間発症率は 5~20例/1000人とも示されています。
地域研究(例えば中国・Gansu省)では、成人(18歳以上)を対象にした調査でLDHの有病率が22.77%という報告もあり、かなり高めの数字が出ています。ただし、このような調査では画像診断でのヘルニア所見を見ている可能性があり、すべてが症状ありとは限りません。

2.変性椎間板(ヘルニアを起こすリスクとなる変性)の頻度

日本のある報告では、50歳未満でもかなり多くの人に椎間板の変性が見られ、50歳以上では男女とも90%超に変性椎間板があるというデータもあります。つまり、椎間板変性自体は非常に一般的ですが、必ずしもヘルニア(椎間板の脊髄方向への飛び出し)や症状を伴うわけではない、というポイントは最重要です。

好発年齢(年齢分布)

多くの報告で30~50歳の成人が最もヘルニアを発症しやすい年代とされます。
平均年齢としては、例えばある文献で41歳が平均発症年齢と報告されている。また、ガイドライン的な考えとして20〜40歳代が古典的な好発年齢であります。高齢になると(例えば65歳以上)、ヘルニアの「新規発症」は減少するという報告もあります。一方、年齢が高くなると、上位(高位、上の腰椎)でのヘルニア(例:L2/3,L3/4)が増えてくる傾向があるという報告があります。
小児(例えば10代・20代前半)での腰椎ヘルニアも「まれではあるが存在する」という報告があり、若年例も完全にないわけではありません。

好発部位(どの椎間板に多いか)

性別・その他リスク

ナチュラルコース(自然経過)

注意すべきポイント

椎間板ヘルニア(特に腰椎椎間板ヘルニア:LDH)について、症状と治療方法(保存療法・手術療法)を、医学的エビデンスに沿って整理して説明します。

1.椎間板ヘルニアとは?

椎間板の内部にある「髄核」というゼリー状の構造が外に飛び出し、神経根(足の神経)や馬尾神経(中心の太い神経)を圧迫する病気です。

2.主な症状

神経根症状(最も多い)

ヘルニアが左右どちらかの神経根を圧迫することで起こります。

典型的な症状

腰痛

馬尾症候群(稀だが緊急)

ヘルニアが中央に大きく飛び出し「馬尾神経」を圧迫した状態です。
これは緊急手術の適応となる非常に重要な状態です。

危険サイン(Red Flags)

※ これらがある場合は即日受診・緊急対応が必要です。

3.診断

4.治療方法

基本は「保存療法」(手術をしない治療)

椎間板ヘルニアは自然に縮小・吸収することが多く、痛みも通常数週間〜3カ月ほどで軽快します。そのため、まずは保存療法が原則です。

1.薬物療法

2.物理療法

3.ブロック治療(痛みが強い場合)

4.リハビリ(運動療法)

手術療法

手術を考えるタイミング

成功率

5.自然経過

6. 予防(再発予防)

椎間板ヘルニア