歯科医師の先生方へ
歯科が日常診療で用いているパノラマX線画像から骨粗鬆症の可能性がある患者さんを発見する方法が開発されましたことを受け、日本歯科放射線学会より、歯科医師から医師への受診を勧奨された患者さんに対し、医師が適切に受け入れる環境の醸成、すなわち医科と歯科の合意形成に関する要望がこの度、日本整形外科学会にございました。

要望の趣旨は、「歯科より紹介された骨粗鬆症の疑いのある患者さんにおいて、適切に診断し治療していただきたい」というものでございます。
この背景には歯科でインプラント治療をされたり、抜歯などの侵襲的な歯科治療をされたり今後される予定の患者さんが、0.01~0.02%と極めてまれではありますが、難治性の骨露出を特徴とする骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)の副作用がおこる可能性があるビスフォスフォネート(BP)製剤などで治療を受けておられる場合、歯科治療の進行に躊躇される、あるいは医科との連携がうまく取れないまま、歯科診療を進めざるを得ないとう現状が背景にあるものと、私は推察しております。
歯科の先生方から骨粗鬆症の疑いのある患者さんを当院にご紹介いただく場合には、適切な骨粗鬆症の診断(腰椎の正面像と側面像のレントゲン撮影、骨吸収・骨形成の各代謝マーカーと二次性骨粗鬆症の除外のための採血、腰椎と大腿骨での骨密度検査の3点)、そして診断がつき次第、必要な場合は直ちに薬物治療を開始させていただきます。
骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)は非常にミゼラブルな転帰となると伺っております。顎骨壊死ポジションペーパー2016では、「抜歯などの侵襲的歯科治療前のBP製剤休薬についてはさまざまな議論があり、統一した見解は得られていない」と記載されてはおります。
しかしながら、侵襲的な歯科治療を今後予定されている患者さんに対しては、ARONJの可能性が全く報告されていないテリパラチド製剤を中心とした薬剤の選択に努めてまいりますので、歯科の先生方にはご安心頂き、当院へ骨粗鬆症を疑われました患者さんをご紹介くださいますよう、お願い申し上げます。
骨粗鬆症が基礎疾患にある患者さんの口腔ケアを見据えた医療を患者さんに提供できるように歯科と医科で連携を図ってゆきたいと考えておりますので、宜しくお願い致します。


