当院で診療している主な治療
症状
- 風邪の初期症状のような症状が持続している。
Bスポット療法(EAT)とは
鼻咽腔治療とは別名Bスポット療法ともいい、上咽頭に塩化亜鉛という消炎剤を直接塗布する治療法で、東京医科歯科大学元教授の堀口申作先生によって50年以上前に提唱された「上咽頭治療法」です。
Bスポット療法の「B」は、Biinku(鼻咽腔)の頭文字をとったもので、のどちんこの裏を堀口先生はBスポットと呼ばれています。
人が鼻呼吸する時、空気は必ずワルダイエル咽頭扁桃リンパ輪=Bスポットを通過します。空気中のホコリやウイルスや細菌などが付着しやすく、炎症が起きやすい場所です。
人間の免疫機能の要所であるワルダイエル咽頭扁桃リンパ輪をBスポット療法することで、免疫力を回復させ、様々な症状や病気の改善が期待できます。
関節リウマチなどの自己免疫疾患などにならないためには、普段から口呼吸ではなく鼻呼吸を行うことが最も重要なのですが、鼻づまりが強い状態では鼻呼吸ができなくて口呼吸となります。鼻の生理的機能である加湿機能により、鼻から吸った空気が加湿されてワルダイエル咽頭扁桃リンパ輪に届けられるのですが、湿度を高い状態に保つことができれば、そもそも炎症が起こりにくくなります。
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、上咽頭炎などの症状を他院で診療されている標準治療と組み合わせる事によって、症状が軽快する可能性があります。
この部位の炎症を治すと体中が元気になるという理論です。
Bスポット療法は、左右の鼻孔と、のどからBスポットに向けて塩化亜鉛液をつけた綿棒をさし込み塗る治療法です。残念ながらその作用機序が解明できないため、また、非常に痛いのであまり普及しませんでした。
しかし、体調が改善する場合があることも事実のようです。
同様に、元神戸大学医学部耳鼻咽喉科助教授の木村照先生が30年前に提唱された上咽頭擦過法(綿棒治療)があります。
上咽頭の耳管周辺を綿棒で擦過刺激すると難治性の頭痛や肩こりに効果があるというものです。この治療法も一時雑誌などにも取り上げられましたが、少し痛いので現在はあまり行われていませんが、良い方法だと私は思っています。両方ともにワルダイエルリング(咽頭扁桃リンパ輪)というB細胞性免疫の中枢を活性化させる方法だと言えます。
当院では自由診療で免疫力の活性化・頭痛治療・首や肩の凝り・関節リウマチの治療の一手段として提供させていただいております。(税込2,200円)
ワルダイエル咽頭扁桃リンパ輪が長期間にわたり炎症を持ちますと、意欲が低下しやすくうつ病の原因になる場合もあります。先述したように、関節リウマチ、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息など)にも有効ですが、専門医による標準治療が必須です。Bスポット療法は補助的な治療法ですので、現在の治療を打ち切ってBスポット療法のみをすることはいけません。さらに病状を悪化させる危険性が高いので、決してそのようなことはなさらないようにお願いいたします。当院でも関節リウマチに関しては日本リウマチ学会、日本整形外科学会が提唱しております Treat to Target (T2T) に従い、治療しております。また、慢性疲労症候群と診断された方も、Bスポット療法で改善する見込みがあります。
解剖学的には上咽頭は、鼻の奥に存在し、気道の一部を構成しています。
下図で、赤い楕円形の部分がワルダイエルリング(咽頭扁桃リンパ輪)です。
鼻から吸った空気は、上咽頭で下方に向きを変えて中咽頭に流れます(上図の水色線)。
この上咽頭(鼻咽腔)は、呼吸をする(鼻呼吸)と必ずこの部位を空気が通るので、空気中のホコリやウイルス、細菌の影響を受けやすい場所、つまりホコリやウイルス、細菌の溜まり場となりやすいため、上咽頭は炎症を起こしやすい部位の一つです。
Bスポットは、人間の免疫機能のポイント(B細胞性免疫の最初の中枢組織で非常に大切な組織)であると言われており、Bスポット療法(EAT)を実施することで、のど風邪以外の様々な症状、疾患の改善効果があったと報告されています。
例えば、風邪かもしれないと思われる時の初期症状として、「喉に痛み」を感じる際には上咽頭(鼻咽腔)が腫れているということが多々あります。
患者さん個々人の症状・炎症の度合いにもよりますが、基本的には週1~2回の通院を10回~15回継続することをお勧めしています。
粘膜に慢性的な病的炎症が起きますと、治療をして粘膜が正常化するには、12週間程度を要すると考えています。治療終了の判断基準は、綿棒に血液が付着しなくなったり、沁みる感じがなくなった頃合いでしょう。
「ヒリヒリ感が強い」ということは、「炎症が強い」ということにつながります。
さらに言えば、「炎症が強い」ということは治療後のヒリヒリとした痛みが持続し、治まるまで時間がかかります。「ヒリヒリとした痛みがある」ために治療を止めようとするのではなく、逆に炎症が強いため痛みを強く感じるので、そのような方ほど治療(Bスポット療法)を継続していただいたほうが良いでしょう。炎症が治まってきているという場合には、お薬を上咽頭(Bスポット)に塗布した際にヒリヒリとした痛みが和らいできます。
お薬を塗布した後(治療後)の少しの間(数時間程度)は、血の混じった鼻水や痰が出たり、唾液に血が混じりピンク色になったりする場合がありますが、心配はありません。
一時的にではありますが、治療後まれに治療をする前より症状が強くなる、頭痛がする、アトピーなど皮膚症状が悪くなることがあります。その原因としては、上咽頭(鼻咽腔)の炎症が強いためです。
上咽頭炎の原因
何らかの原因で上咽頭に炎症が起こった状態が上咽頭炎です。
のどの不調が続く患者さんによくみられる状態です。
上咽頭炎の原因としては、
- 口呼吸
- 細菌やウイルス感染
- 空気の乾燥
- 空気の冷え
- アレルギー性鼻炎などに代表される鼻閉を起こす疾患
- 副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などに代表される後鼻漏を起こす疾患
- 逆流性食道炎
- 体の冷え
- 疲労
- ストレス
- 暴飲暴食
等が考えられます。
症状
上咽頭は脳神経である舌咽神経Ⅸ、迷走神経Ⅹ、そして自律神経とも繋がっているため、次のように多彩な症状がでます。
- 耳の症状:耳閉感、難聴、耳鳴りなど
- 疼痛:頭、顔、鼻、目、耳、歯、のどなどの痛み
- 鼻の症状:鼻閉、鼻汁、後鼻漏など
- のどの症状:咳、痰、声がれ、違和感など
- 自律神経の症状:全身倦怠感、めまい、疲労、睡眠障害、胃腸障害など
なお、上咽頭は「生理的炎症部位」であり、健康な人でも軽い炎症を認めますが、症状が気にならなければ治療対象とはなりません。
コロナ前のBスポット療法(EAT)とコロナ後のBスポット療法(EAT)の違い
コロナ前のBスポット療法(EAT)は擦過することにより古い層を物理的にはがして薬液の浸透を良くする方法を用いていました。
上咽頭に消炎剤を綿棒で塗布をすることがBスポット療法(EAT)であり、実施時間は短い(約1分程度)です。
スポットに薬剤を塗布している際は、炎症を起こしている部分をめくりお薬を塗っている状態ですので「痛み」を感じます。
つまり、この方法は傷を付ける事になり、新型コロナが盛んになった今日ではコロナの感染リスクが増す事になります。
新型コロナは、保健所の見解では、15分以上接触すると濃厚接触者と認定されるようです。濃厚接触者が感染するとは限りませんが、擦過することにより、感染しやすくなるのではと考えられます。
そこで、当院では今までと違い今日は擦過することにより、新型コロナの感染をするリスクが増すのを防止する為、塩化亜鉛液もしくはルゴール液やイソジンなどの薬剤が浸透してワルダイエルリング(咽頭扁桃リンパ輪)というB細胞性免疫の中枢を活性化させた方が良いと考えています。下鼻腔からアーチェの先に薬液を付けた綿花を巻きそれを下鼻腔に挿入して毛細管現象で薬液をジンワリと浸透させる方が、コロナ感染のリスクが減少し、免疫力を上げる最上の方法と考えます。
つまり、当院では新型コロナ感染リスクを考慮し、浸潤法を用いていることをご了承頂いて治療のお申し出をして下さい。
炎症が強い人ほど、治療ではワルダイエル咽頭扁桃リンパ輪が沁みて痛いです。傷口に消毒薬を塗った時に沁みる感覚に近いものがあります。耳の奥まで痛みが一時的に広がる方もおられます。治療後1時間くらいは、血液が混じった鼻水や痰が出ますが、自然に止まります。
また顔がむくんだり、逆に頭が重くなったりすることがあります。まれに、炎症が強いと1日中痛みが残る場合もありますが、痛みが強いということは、より炎症が強いということですので、治療を続けることで効果が得られます。治療を継続して炎症がおさまれば、治療時の痛みは少なくなってゆきます。治療後しばらくして倦怠感を訴える方もおられますが、これらは綿棒による鼻腔刺激、迷走神経(副交感神経)刺激によるものと考えられます。これは起こっても数時間でおさまります。まれに治療後にアトピー性皮膚炎などの皮膚症状が一時的に悪くなることがありますが、こちらもワルダイエル咽頭扁桃リンパ輪の炎症が強いことが原因ですので、治療を継続していただくことで症状が軽微になってゆくでしょう。
注意点
- 食事や飲み物は治療終了後すぐにとっていただけます。
- 口からの塗布・擦過は、えづきやすい方では困難ですので、口からの治療が出来ない方は、鼻からの塗布・擦過のみ行います。
都度、ご相談になります。 - 当院では、治療は高校生以上の方とさせていただいています。
妊娠中、授乳中の方でも治療は問題なく行えますが、診察の結果、Bスポット療法を控えたほうが良い方も稀におられますので、その場合はお断りさせていただく事もあります。 - 治療回数は症状の重症度、病気の期間などにより変わりますが、関節リウマチはワルダイエル咽頭扁桃リンパ輪に炎症を起こしている場合が多いと考えていますので、関節リウマチの方は治療に時間を要します。
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