当院で診療している主な治療
症状
- 背骨が曲がっている。
- 体が曲がって見える。
- 体が歪んでいる。
側弯症
学校検診で指摘される側弯症の多くは、特発性思春期側弯症と言われるものです。特発性とは原因がはっきりしないという意味です。ここでいう思春期とは10歳から18歳ころまでを言います。お子さんが側弯症になってしまったら自分たちのせいではないかと責める親御さんが散見されますが、遺伝性疾患ではありません。
ここでは最も頻度が高い特発性思春期側弯症にスポットをあててお話をいたします。
東京における特発性思春期側弯症の5年間の疫学研究があります。(参考文献:Ueno et al. J Orthop Sci, 2011 A 5-year epidemiological study on the prevalence rate of idiopathic scoliosis in Tokyo: school screening of more than 250,000 children)これは11歳から14歳の合計255875名の学童を対象にしたスクリーニング調査です。13-14歳の女児での有病率は2.5%、男児は0.5%です。小学校高学年から中学校時代に好発すると考えられています。
では世界での罹患率はどれくらいでしょか。コブ角(側弯症の程度を示す角度)10°以上の側弯症の方は2-3%です。
側弯症学校検診は、1978年、学校保健法(現学校保健安全法)が一部改正された時から始まり、側弯症学校検診が義務化されました。その方法は各自治体に一任されています。しかし検診方法が統一されていない点や、多くは学校医の視診のみでの判断になりますので、これは問題だと考えています。例えば、三重県では一次検診は内科を専門とする学校医による問診と、視診(前屈テスト)がされています。二次検診で整形外科専門医によるレントゲン撮影で評価するという流れです。
しかし当院ではまず、前屈テスト(両手のひらを合わせて、肩の力を抜いて、両腕を自然に垂らしゆっくりおじぎ)の他に、視診のポイントとしては、肩の高さの左右差、ウエストライン(腰の脇戦)の左右差がないか、肩甲骨の高さと突出の程度と左右差がないか、などの身体学的診察をした後に、レントゲン検査に加えてモアレ法を導入しております。
モアレ法は科学的に有効性が証明されています。保険診療ですが、モアレ法に関しては保険点数を算定しておりません。モアレ法は患者さんとその親御さんに説明しやすいので、撮影しております。これは背中の等高線(地図などで同じ高さの地点を連ねて描いた線)を見る方法です。デジカメで撮影しますので、レントゲン技師でなくても撮影でき、被爆もしません。また、体表面の変形を検知することにおいては非常に鋭敏で、感度は100%です。これはモアレ法で等高線を観察して異常があれば、どの程度かは判定できませんが、必ず側弯症があると言えるという意味です。このような感度100%の検査は他にはほとんどありませんので、モアレ法は側弯症の診断においては非常に優れていると断言できます。
運動器検診は2016年からさらに活発になってきました。側弯症に加えて、四肢関節(股・膝・足・肩・肘・手関節)、腰のチェックが行われています。運動器検診導入後、一次検診の側弯陽性率が大きく上昇しました。この背景には学校医、養護教諭、および保護者の側弯症に対する関心の高まりがあります。運動器疾患の推定罹患率は10%ですが、その後の2次検診で異常なしが41.6%、側弯症が42.0%、そのほかの疾患が16.8%でした。側弯症が突出して多いことがわかります。
さて、側弯症のある方には腰痛はあるのでしょうか。
新潟市における特発性思春期側弯症43630人を対象とした疫学研究では腰痛の有訴者数は側弯症では2.3倍、腰痛になりやすく、腰痛の程度も強く、頻度も高く、持続時間も長いという結果が出ました。実際は、側弯症でも腰痛がない方の方が多いのですが、側弯症と腰痛の関係性が深いことがわかります。診断されたら、半年から一年に一度のレントゲン検査やモアレ法による経過観察が必要でしょう。
さて、治療ですが、コブ角が40°を超えて進行してくると、背骨は回旋しながら左右に曲がりますので、肺や心臓を圧迫して内蔵の障害を引き起こすことがあります。年齢や骨の成長曲線を見ながら、あとどれくらい成長するのか、背が伸びるのかを考慮しつつ、脊椎外科医は装具治療や手術適応を考えます。おおむね40°以上では手術を考慮する場合が多いと思いますが、コブ角が何度以上になれば手術適当となるかは厳密には言えません。
それ以外には精神美容上の問題点が指摘されます。つまり self-image の低下です。コブ角が40°を超えると容姿に対する劣等感、消極的な対人関係、重症例ではよりこれらが顕著になります。
特発性思春期側弯症は成長が止まるまで、進行すると考えられています。原因は解明されていませんが、ある日の尻もちで側弯症は発生すると私は考えています。前述しましたように、今、腰痛などの症状がなくても、将来的に美容的な問題が出てくる可能性がありますので、進行しないように思春期のうちから治療する方法を編み出しました。
側弯症を指摘されて、進行してきている思春期の方はご相談いただければと思います。
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