手・指・爪・手首の疾患
へバーデン結節
症状
- 指の第一関節(爪先1番目の関節)が痛い、熱感がある。初期には「指をぶつけたような痛み」を感じることもあります。
- 関節の腫れや赤みがある。指先の関節がぷっくりと膨らみ、赤くなっている。炎症が強い時期には熱感を伴います。
- 指の変形(結節の出現)がある。関節にコブのような膨らみができ、指が横に曲がるなど見た目の変形が進行します。
へバーデン結節とは
変形性関節症疾患で指の第1関節を傷害するものとして、ヘバーデン結節があります。
第1関節の背側でしばしば両側性に出現する結節について報告されましたが、原因についてはなお不明な点が多く、内分泌障害、循環障害、神経障害なども考えられています。ガングリオンやこれが破れて難治性の mucous cyst(粘液嚢腫)を合併することもあります。この粘液嚢腫はヘバーデン結節の人の20~30%で認められます。左右にわたり交通しているので注意が必要です。
本来ガングリオンの特殊型で本質的には同一疾患であると考えられています。
ヘバーデン結節は骨折などの外傷に引き続いて発生する場合と、原因不明に発生する場合の2つのタイプがあります。外傷性の場合は外傷後に指の第一関節の発赤、腫れ、痛みを来し、数か月で炎症症状はなくなり痛みもなくなりますが、関節の肥大、屈曲、側方屈曲変形を来して、関節の可動域は障害されます。外傷性の場合は、その指にだけ症状が現れて、他の指に変化が及ぶことはありません。
次に、最も一般的な原因不明のヘバーデン結節は、通常1本の指に始まり、次第に他の指にも及び、また反対側の指にも同様の変化を来すものです。だいたい45歳以上の女性に多いとされています。男性の約10倍の発症率で、遺伝関係も認められるとされています。症状としては、第1関節の発赤、腫れ、痛みでこれは数か月、数年にわたり進行することがあります。またしばしば指先にピリピリした痛み、あるいは知覚異常を訴えることがありますが、時には痛みがさほどでもないような人もおられるようです。腫れは軟らかく、時に波動を認めますが、比較的硬い腫れを示すこともあり、先端はしだいに屈曲、あるいは側方転位を来します。変化は一般的に第1関節の背側でレントゲン検査では、この部位の肥大を認めます。
ひとたび、ヘバーデン結節を発症しますと、軟骨、および軟骨下骨の編成によるもので治療は難しく、痛みのある人には温熱療法や物理療法、ホルモン療法も用いられますが、効果は不定で病気の進行を防止することは困難です。しかし、治療の有無にかかわらず、一定時間の経過したのちには無痛性となり、多少の変形を残して症状が固定しますので、無意味な治療法を継続することはかえって良くないと当院では考えています。しかし、痛みをコントロールする方法をお伝えいたしますので、ご相談ください。このほか、同様のことが第1関節のみならず、第2関節にも及ぶことがあり、これをブシャール結節と言います。手術療法としては痛みを抑えることを目的に、関節固定術や関節形成術が行われることがありますので、適応のある方は迅速に手の外科専門医にご紹介させていただきます。

ばね指
症状
- 指がカックンとひっかかる。
- 手の指を曲げたり伸ばしたりする際に抵抗があり、ばね仕掛けのような動きをする。
- その動作に痛みを伴う。
ばね指とは

ばね指は、腱鞘炎の一種です。弾発現象と言われる症状が手の指に起こる病気です。弾発現象とは指を伸ばすときにバンっと跳ねる様な感じがすることです。
図1の赤いラインに示しました場所を押さえると痛みが生じることもあります。中年以降の方に起こりやすく、放置すると第2関節が完全に伸びなくなってしまいます。そうなってしまった後は元通りにすることが非常に]難しいので、その前に治療することが賢明です。
一般的には局所麻酔薬とステロイドの注射を掌にしますが、注射は非常に痛いので、注射をせずとも改善させる方法を開発いたしましたので、お伝えいたします。その方法でも、注射でも改善しない場合は、腱鞘切開手術の適応となりますので、当院にて手術をさせていただきます。腱鞘切開手術の手術方法は図1の赤いラインに沿い、1.5cmほど皮膚を切開しましょう。屈筋腱とよばれる指の関節を曲げるための腱がありますが、その周囲にまとわりついています鞘を切開して腱の圧迫を解除いたします。



ドケルバン腱鞘炎
症状
- 親指を動かしたり、物を握ったりすると手首の親指側に強い痛みが走る。特に親指を広げたり、力を入れる動作で感じる。
- 手首の親指側が腫れたり、炎症による熱感がある。
- 親指や手首の動きが制限され、握る・つまむなどの動作が困難になっている。
ドケルバン腱鞘炎とは

手首の親指側に腫れと痛みが生じます。母指にはいくつかの腱がありますが、写真に示す2本の腱が手首の親指側にある腱鞘の部分で炎症を起こして、腱がスムーズに動きにくくなります。
妊娠時、産後や更年期の女性に起こることが多く、スポーツマンや指を使う仕事の人に多く見られます。
病態
母指の使い過ぎにより腱鞘が肥厚したり、腱の表面が傷ついたりして、一層症状が強くなる悪循環が生まれます。
治療
- 手首の安静で刺激を少なくしたり装具で固定したりします。
- 腱鞘内に局所麻酔薬入りステロイド注射をして炎症や痛み、腫れを抑えます。
- 手術は上記の保存療法で治らないときに行います。腱鞘を切離して、腱を開放します。
手術の様子



